海外の開発者調査を眺めていたら、気になる数字を見つけました。
JetBrainsの「State of Developer Ecosystem 2025」という調査です。
194カ国・24,534人の開発者を対象にした、かなり大規模な調査です。
AIツールの活用状況や生産性の話が中心の調査なのですが、その中に「今の転職市場をどう感じているか」という設問がありました。
世界的には「厳しい」が多数派
まず世界全体の傾向を見ると、転職市場への感覚は厳しめです。
ジュニア層の61%、シニア層の54%が「厳しい」と回答しています。
国別に見るとさらにはっきりしていて、カナダは66%が「厳しい」と答えていました。
経験の浅い人ほど厳しく感じている、というのは想像通りの結果です。
ところが日本だけ「良好」が多数派だった
ここまでは予想通りだったのですが、日本の数字を見て手が止まりました。
日本は57%が「良好」と回答していたのです。
世界の多くの国が「厳しい」に傾く中で、日本だけはっきり逆方向に振れています。
同じ設問、同じ調査なのに、国が変わるとここまで答えが変わるのかと、単純に驚きました。
なぜ日本だけ違うのか
調査自体はこの理由までは説明していないので、ここからは自分の推測です。
まず思い浮かぶのは、単純に人手不足です。
国内のIT人材不足は何年も前から言われていて、売り手市場という感覚が根強く残っています。
実際に転職活動をしていなくても、「募集は多い」という空気だけで「良好」と答える人がいてもおかしくありません。
もう一つ考えられるのが、比較対象の違いです。
海外の回答者は、転職や解雇が日常的な労働市場を基準に「厳しい」「良好」を判断しているはずです。
一方、日本は歴史的に転職の流動性が低い国なので、同じ「厳しい/良好」でも、判断の基準そのものがそもそもズレている可能性があります。
どちらも確認しようがない推測ですが、少なくとも「世界共通の実感」ではなく、国ごとにかなり事情が違う数字だということは分かりました。
💡 Tips: 開発者調査は調査元によって見える景色が違う
これまでこのシリーズで扱ってきたState of CSS/State of HTML/State of JavaScript、Stack Overflow Developer Surveyは、いずれも技術トレンド寄りの調査でした。今回のJetBrains State of Developer Ecosystemは、AI活用や働き方全般まで対象が広いのが特徴です。同じ「開発者調査」でも、調査元によって見える景色がだいぶ違います。
自分の実感と照らしてみると
本業を持ちながら副業でweb制作をしているので、転職市場の話は完全に他人事でもありません。
案件の声かけの頻度や、SNSで見かける「人手が足りない」という投稿の多さを見ていると、「良好」寄りの空気があるというのは何となく分かる気がします。
ただ、これも結局は自分の観測範囲の話でしかないので、57%という数字を鵜呑みにするのではなく、「そういう調査結果がある」くらいの距離感で受け止めておこうと思います。
まとめ
同じ「転職市場をどう感じるか」でも、国が変われば答えはこれだけ変わります。
技術トレンドの調査から少し離れて、開発者の働き方に関する調査に手を広げてみた回でした。
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