AIツールの利用率は84%なのに、信頼してる人は33%しかいなかった話

「世界のWeb事情」シリーズ、今回は調査元を変えてStack Overflow Developer Survey 2025から。State of CSS・HTML・JSと一通り見てきたので、別の調査にも手を広げてみることにしました。

今回目についたのは、AIツールの利用率と信頼度の差です。利用率は84%まで伸びているのに、実際に信頼している人は33%しかいませんでした。

💡 Tips: Stack Overflow Developer Surveyとは

プログラミングQ&Aサイト大手のStack Overflowが毎年実施している、世界中の開発者を対象にした大規模アンケートです。使用言語・ツール・キャリアなど幅広い項目を調査していて、State of JS/CSSと並んで業界動向を知る定番の一次情報になっています。

使ってるのに、信じてない

内訳を見ると、利用率の84%は前年の76%から増えていました。
毎日使っている人だけで47.1%、週1以上まで含めると65%近くにのぼります。
もう半数近くが日常的にAIツールを触っている計算です。

一方で信頼度は逆方向でした。
「強く信頼している」はわずか3.1%、「やや信頼している」を足しても33%弱にしかなりません。
対して「やや信頼していない」26.1%・「強く信頼していない」19.6%を合計すると46%になり、信頼している人より多いという結果でした。

使う人はどんどん増えているのに、信じている人はむしろ少数派。
ここまではっきり逆方向に開いているとは思っていませんでした。

このブログでも以前、コードの29%がAIで書かれているという数字を扱いました。
あの記事は「AIがどれだけ書いているか」という生成量の話でしたが、今回はその生成されたコードを人間がどれだけ信じているか、という別の軸です。
量は増えているのに、質への信頼は追いついていない。
2つの数字を並べると、そんな構図が見えてきます。

ポジティブな空気も、実は下がっていた

さらに調べると、AIツールへの好意的な感情(ポジティブセンチメント)自体も年々下がっていました。
2023〜2024年は70%台だったのが、2025年は60%まで落ちています。

利用率のグラフだけを見ていると「AIはどんどん浸透している」という一方向の話に見えます。
でも信頼度・好感度という別の軸を重ねると、使われている理由が「好きだから」でも「信じているから」でもなく、単に「使わざるを得ないから」という側面が強くなっているように見えてきました。

職場で導入が進んでいて自分だけ使わないわけにいかない、周りが使っているから触らざるを得ない。
そんな空気の中で数字だけが伸びているとしたら、利用率の増加を単純に「AIの評価が上がっている証拠」と読むのは早計だと感じます。

信頼が下がってる理由は「惜しい」の多さだった

なぜここまで信頼度が下がっているのか、Stack Overflow公式ブログの解説記事も読んでみました。

一番多かった不満(45%)は、「AIの提案が惜しいけど微妙に違う」というものでした。
完全に間違っているなら一目で気づけますが、8割方正しいコードだと、逆にかえって見抜くのが難しくなります。
実際、66%の開発者が「惜しいコード」の修正にかえって時間を取られていると答えていました。

これはかなり実感があります。
明らかにおかしいコードよりも、動いているように見えて実は1箇所だけロジックが違う、というパターンの方が発見が遅れて、結果的に手戻りが大きくなりがちです。

自分の運用に当てはめてみる

このブログの運用でも、下書きの叩き台自体はClaude Codeに任せています。
その意味では自分も84%の側にいます。

ただ、任せているのは叩き台までです。
公開前には必ずnatural-japanese lintでの機械チェック、文体の読み返し、事実確認のリンク貼り、自己採点というチェックを一通り通しています。
「AIが書いたものをそのまま信じて出す」ことは、実は一度もしていません。

技術記事側でも同じで、WordPressのテーマファイルを触ってもらった後は、必ずブラウザで実際の見た目を確認してから公開しています。
コードが動くかどうかと、意図した通りに見えるかどうかは別物だと、これまで何度も痛感してきました。

今回の数字を見て、自分がやっている「使うけど鵜呑みにはしない」という運用は、世の中の平均的な感覚ともそう遠くないんだなと思いました。
むしろ信頼度33%という数字を見ると、うちのチェック工程は多くの人がすでに無意識にやっていることを、手順として言語化しているだけなのかもしれません。

まとめ

AIツールの利用率84%、信頼度33%。
この2つの数字が同時に伸び縮みしているのが、2025年のリアルな空気感なんだと思います。

「使う」と「信じる」は別物。
当たり前のようで、実際に数字で突きつけられると、あらためて考えさせられる差でした。

「AIが書いたから正しいはず」ではなく、「AIが書いたからこそ、惜しい間違いが紛れ込んでいるかもしれない」という前提で見る。
今回の数字を知ってから、そのくらいの距離感でちょうどいいんだと、あらためて思うようになりました。

次はまたどの調査に手を広げるか、反応を見ながら決めていこうと思います。

この記事を書いた人

Web制作歴10年近く。WordPressのテーマカスタマイズやコーディングを中心に、副業・本業ともにweb制作に携わっています。このブログでは、実際に手を動かして分かったことを書いています。

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