Next.jsの満足度、1年で68%→55%に急落してた話

今回は少し毛色を変えて、CSSではなくJavaScript側の調査「State of JavaScript 2025」を見てみました。3本続けてCSSの話だったので、たまには別の言語のデータも覗いてみようと思ったのがきっかけです。うちはWordPress・PHP寄りの現場が多く、JavaScript側の大きなフレームワーク事情には正直あまり詳しくないので、勉強も兼ねての回です。

目についたのは、Next.js(Reactベースのメタフレームワーク)の満足度が、この1年で68%→55%まで落ちていたことです。13ポイントの下落幅は、全調査対象のライブラリ・フレームワークの中で最大でした。

不思議な話でした。これは「使われなくなった」という話ではありません。使用率は59%と、他のメタフレームワークを大きく引き離して1位のまま。むしろ拡大しています。使う人は増え続けているのに、満足度は下がり続けているという、ちょっとねじれた状況でした。

💡 Tips: メタフレームワークって何?

Reactのような「画面を作るためのライブラリ」に、ルーティング・サーバー側の処理・ビルド設定などをまとめて用意してくれる、もう一段上のフレームワークのことです。Next.jsはそのメタフレームワークの中で最も使われているもののひとつです。

下落の理由は「複雑さ」と「Vercelへの不信感」

調査元の分析を読むと、理由は大きく2つありました。1つ目は複雑さです。メタフレームワークはブラウザ側とサーバー側の両方にまたがる仕組みなので、できることが増えるほど学習コストと開発体験のトレードオフも増えていく、という構造的な問題が指摘されていました。

2つ目は、開発元であるVercel社への不信感です。セキュリティ脆弱性(CVE)の報告、Vercelというクラウドサービスへの依存(いわゆるベンダーロックイン)への懸念、複雑さへの疲れ。こうした要因が重なって、開発者の一部がAstroやSvelteKit、TanStack Startといった他の選択肢に流れ始めているとのことでした。Vercelそのものへの感情も、調査では中立が最多ながら、ポジティブよりネガティブの方が多いという結果が出ています。

フレームワークそのものの出来より、それを提供している会社への信頼が揺らいでいる。今回一番の発見でした。技術的な不満と、企業に対する不満は、本来別の軸のはずなのに、満足度という1つの数字に混ざって出てくるんだなと思いました。

「人気No.1」の中身は、実は割れていた

これまでの3本(Anchor Positioningselectのカスタマイズコンテナクエリ)は、いずれも「ブラウザ対応」という技術的な壁の話でした。今回は少し違います。技術的には問題なく動いているのに、開発元との信頼関係という、もっと人間くさい理由で評価が揺らいでいるパターンです。

満足度で1位のAstroとは39ポイントもの差がついていました。数字だけ見ると「Next.jsはもう人気がない」と早合点しそうになりますが、実際は使用率59%の圧倒的1位のまま。他のメタフレームワーク(SvelteKit・TanStack Start等)を軒並み引き離した、いわば独走状態です。人気No.1であることと、その中身が全員に支持されているかは、また別の話だったわけです。

同じ調査ではSvelte 5が開発体験(DX)の満足度で首位に立ち、使用率がまだ低いSolidも5年連続で満足度トップを守っているという結果も出ていました。使う人の数と、使った人の満足度は別物。当たり前のようで、実際に数字として突きつけられると、あらためて考えさせられる構図でした。

自分の道具選びにも重ねて考えた

うちはWordPress中心でNext.jsは直接使っていませんが、他人事とは思えませんでした。レンタルサーバー・テーマ・プラグイン、どれも「今は問題なく動いている」という理由だけで選び続けていると、いつの間にか依存が深くなっていることがあります。サーバーを移行するとき、DNSやデータベース周りで思ったより苦労した経験がありますが、あれも「長く同じサーバーを使い続けていたからこそ、依存に気づきにくかった」パターンの一種だったのかもしれません。

今のところ大きな不満はありませんが、乗り換えるコストが上がりすぎる前に、定期的に他の選択肢も見ておく価値はありそうです。Next.jsの満足度が下がった理由も、複雑さそのものより「気づいたら抜け出しにくくなっていた」という感覚の方が近いのではないかと想像しています。

技術選定は一度決めたら終わりではない。周りの評価は、静かに変わっていきます。導入したときは最善の選択だったものが、1年後には「使ってはいるけど、実は不満が溜まっている」に変わっていることもある。そのズレに気づくには、こういう外部の調査データを定期的にのぞいてみるのも悪くないなと思いました。

次回もまたCSSに戻るか、もう少しJS寄りの調査を続けるか、そのときの気分で決めようと思います。

この記事を書いた人

Web制作歴10年近く。WordPressのテーマカスタマイズやコーディングを中心に、副業・本業ともにweb制作に携わっています。このブログでは、実際に手を動かして分かったことを書いています。

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