YouTube Shortsで1本だけ跳ねた動画を、APIで分解してみた

違和感がありました。ブログの内容をYouTube Shortsにする取り組みを続けているんですが、公開した動画の中で1本だけ、明らかに数字の違うものがありました。他の動画が数百回再生で並んでいる中、その1本だけが1,200回を超えています。

気になる結果でした。「なんでこれだけ伸びたんだろう」と気になったので、感覚で語るのはやめて、YouTubeのAPIから実際のデータを取って分解してみました。実際は、思っていたのとはだいぶ違う姿が見えてきました。

伸びた1本は「透明なPNGの罠」の回だった

作りは同じでした。その動画は、透明なはずのPNG画像が「中身あり」と判定されてしまった、という失敗談を扱った回です。他の動画とフォーマットは同じで、作り方も特別なことはしていません。

予兆はゼロでした。公開時点では「これは伸びるぞ」という手応えがあったわけでもなく、いつも通り作っていつも通り公開した1本でした。それだけに、なぜこれだけが跳ねたのかが分からなかったんです。

まず日別の推移を見たら、3日で終わっていた

数字は正直でした。最初に見たのが、日ごとの再生数の推移です。ここで最初の驚きがありました。

公開初日に約970回、翌日に約280回、3日目は1回。そして4日目以降はずっとゼロが続いています。

実態は違いました。つまりこの動画は「今も伸び続けている人気動画」ではなく、公開直後の2日間だけ集中的に再生されて、その後ぴたりと止まった動画でした。累計の数字だけ見ていた時のイメージとは、かなり違います。

視聴者が「見つけた」のではなかった

着眼点はここでした。次に、どこから見られているのかを調べました。ここが今回いちばん納得した部分です。

経路は明白でした。再生された場所は、1,250回ほどがすべてShortsのフィード、つまりスマホでスワイプしていると勝手に流れてくるあの画面でした。流入経路で見ても、9割以上がアルゴリズムによる配信枠です。

検索経由は少数派でした。一方で、YouTube内の検索から来た人は13回、外部サイトからのリンク経由は3回でした。デバイスは9割近くがスマホ、視聴者は100%日本国内です。

答えは機械でした。要するに、誰かが検索して見つけてくれたわけでも、SNSでシェアされて広まったわけでもありませんでした。YouTubeのアルゴリズムが不特定多数のフィードに流し込んだ結果が、そのまま数字になっていたわけです。

「テスト配信に合格した」というのが実態に近い

筋道が見えました。ここまでの数字を並べると、起きていたことの筋書きが見えてきます。

流れは単純です。YouTubeは新しく投稿されたショート動画を、まず少数のフィードに試しに流します。そこでの反応が良ければ配信範囲を広げ、悪ければ止める。今回の動画は最初のテストで反応が良かったので配信が広げられ、ひと通り配りきったところで止まった、という流れだったのだと思います。

「バズった」と言うと視聴者に発見されたようなイメージがありますが、実際に起きていたのはもっと機械的な話でした。

では、なぜテストに合格できたのか

鍵は数字でした。そうなると次に気になるのは「最初のテストで、この動画の何が良かったのか」です。ここで参考になりそうな数字が、視聴維持率でした。

数字が物語っていました。この動画の平均視聴維持率は約46%で、他の動画は19%〜31%あたりに並んでいます。つまり、この回だけ視聴者が離脱せずに見続けてくれていたことになります。ショート動画は最初の数秒で指を止めるかどうかが決まるので、この差はそのまま「冒頭で引きつけられたかどうか」の差だと考えられます。

違いは明白でした。他の回のタイトルを並べてみると、「〜の話」「〜4選」のように、内容を説明する形が多くなっていました。それに対して跳ねた回は「透明なのに中身ありと言われた」という、矛盾していて意味が分からない状態から入っています。この「え、どういうこと?」と思わせる引きが効いたのではないか、というのが今のところの仮説です。

数字を見て考えを変えたこと

収穫がありました。今回いちばん良かったのは、「バズった」という曖昧な感覚を、数字で分解できたことでした。

見方が変わりました。分解する前は、なんとなく「良い動画だったから伸びた」くらいに捉えていました。でも実際は、伸びた期間はたった2日で、流入はほぼ全部アルゴリズム経由。自分でコントロールできる部分は「最初の数秒で離脱されないかどうか」に、かなり集中しているということが分かりました。

教訓はシンプルです。逆に言えば、公開後にできることはほとんどない、とも言えます。公開してから「伸びないな」と気を揉むより、次に作る動画の冒頭をどうするかを考えた方が、よほど生産的だなと思うようになりました。

次の一手はここです。タイトルの付け方も、これからは「なぜ?」「まさか」と思わせる形を意識してみるつもりです。効果があったかどうかは、また数字を見て確かめようと思います。感覚ではなく数字で確かめられる状態を作っておくと、こういう方針転換の判断がしやすくなるので、分析の下準備をしておいて良かったなと感じています。

この記事の内容を、YouTube Shortsでも紹介しています

この記事を書いた人

Web制作歴10年近く。WordPressのテーマカスタマイズやコーディングを中心に、副業・本業ともにweb制作に携わっています。このブログでは、実際に手を動かして分かったことを書いています。

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