「世界のWeb事情」シリーズ、今回は調査元をHackerRankの2025 Developer Skills Reportに広げてみました。
102カ国・13,700人以上の開発者と採用担当者を対象にした大規模調査で、気になる数字を見つけました。
「開発者の60%、そして採用担当者のほぼ半数が、技術職に大学の学位は必要ないと考えている」という結果です。
開発者の60%が「学位は要らない」と答えた調査を、学位なしの自分に当ててみた
面白いのは、開発者側と採用する側、両方からほぼ同じ答えが出てきたことです。
現場で採用の実務に関わる人たちの約半数までが「学位はもう必須条件ではない」と答えているのは、単なる開発者の願望や強がりでは説明できません。
資格より実際に書けるコードで決める採用が、現場にも広がっている裏付けに見えます。
専門学校でweb制作を学んだあと就職には苦戦して転々とし、27歳でようやくweb業界に入れた自分は、大学の学位を最初から持っていません。
つまりこの調査の「学位不要」側の当事者そのものです。
専門学校の卒業制作が、面接で一番役に立った
就職活動をしていた当時を思い出すと、面接で聞かれたのはいつも「今まで何を作ったか」でした。
専門学校の卒業制作で組んだ架空の飲食店サイトと、独学で模写した企業サイトの2つを見せる方が、履歴書の学歴欄よりずっと役に立ちました。
振り返ると、実際に評価されたのは学歴ではなく、この2つの制作物と、その後独学で足した実務のコードでした。
面接で学歴を聞かれたことは、正直ほとんど覚えていません。
今考えると、当時からすでに「学位より作ったもの」で判断される側にいたことになります。
学位の条件は緩んでも、入口が楽になったわけではなかった
ここで誤解したくないのは、学位が要らない代わりに何が要るのか、という中身の方です。
同じ調査には、97%の開発者がすでに何らかのAIツールを日常的に使っているという結果も出ていました。
学位という条件が薄れているのと、AI利用がここまで広がっているのが同じ調査に並んでいたのは、たまたまではない気がします。
学位という足切りが減った分、実際に何を作れるか・何を使いこなせるかの方が、今まで以上に直接見られる側に回ってきたのかもしれません。
74%が転職の難しさを感じている、というもう1つの数字
この調査では、もう1つ気になる数字がありました。
求人自体は増えているのに、開発者の74%が転職の難しさを感じている、という結果です。
学位という条件は薄れても、採用そのものは楽になっていない、という数字が同時に出ていたのは正直意外でした。
専門学校を出てすぐには決まらず、転々として27歳でやっと決まった自分の経験も、この数字とそう遠くない感覚です。
今の自分の武器は、結局「日々の実務ログ」だった
このブログ自体も、学位の代わりになる何かを積み上げる場所として使っています。
FLOCSS設計の判断基準、ACFの実装パターン、DB操作で踏んだ罠と直した記録。
どれも学校で教わったものではなく、案件とこのブログの運営そのものから直接出てきています。
学位が無い代わりに、こうした実務の記録を積み重ねる方に時間を使ってきました。
記事を書くたびに、その日の判断を残す作業自体が、自分にとってのポートフォリオ作りになっています。
💡 Tips: 「学位不要」と「未経験歓迎」は別の話
この調査が指しているのは「学位という条件そのものが薄れている」という話で、実務経験や成果物が不要という意味ではありません。
むしろ学位という足切りが減った分、ポートフォリオや過去の実装の方が以前より重く見られている、という理解の方が実態に近そうです。
まとめ
102カ国・13,700人規模の調査で「学位は必要ない」という声が開発者60%・採用側ほぼ半数まで広がっていた、というのは自分にとって他人事ではない結果でした。
学位を持たずにweb業界へ入った当事者として、代わりに積み上げてきたのは実務のログだったと、この記事を書きながら改めて確認できました。
次にこのシリーズでどんな調査を扱うにしても、数字を眺めるだけで終わらせず、自分の実情に一度当ててみる書き方は続けていきます。




