副業でweb制作をしていると、いつかは必ずぶつかる壁があります。「2次下請け」という立場です。
直接クライアントとやり取りするわけではなく、間に制作会社や個人事業主が入る形。悪いことばかりではないんですが、正直なところ「実績として公開できない」というのが一番のストレスだったりします。
2次下請けという立場の仕組み
ざっくり説明すると、案件の構造はこうなっています。クライアントがまず制作会社(元請け)に発注し、元請けが実際のコーディングやデザイン実装の部分を、外部の個人や別の制作会社(下請け)に発注する。私のような立場は、この下請け側にあたります。
元請けとしては、繁忙期の人手を補える、専門性の高い部分だけ外に切り出せるといったメリットがあります。下請け側としても、営業活動をせずに案件を受けられる、比較的安定して仕事がもらえるというメリットは確かにあります。ここまでは、ごく普通のビジネス構造です。
2次下請けの何がしんどいか
案件の内容自体に不満があるわけではありません。むしろ、実務としては学びも多いし、任せてもらえる範囲も年々広がってきました。しんどいのは、そこで積み上げたものを「自分の実績」として外に見せられないことです。
ポートフォリオに載せられない、SNSで「この案件やりました」と言えない。副業を大きくしていきたいと思ったときに、この「見せられない実績」がボトルネックになります。
加えて、単価の面でも構造上どうしても不利になりがちです。クライアントが支払う金額から、元請けのマージンが差し引かれた金額が下請けに回ってくるので、同じ作業量でも直接契約より単価が低くなる傾向があります。もちろん、その分営業や請求書対応、クライアント対応といった手間を元請けが引き受けてくれているので、一概に「損している」とは言えないのですが、長期的に見ると天井を感じる部分ではあります。
今、考えていること
抜け出す方法は大きく2つあると思っています。
- 元請けと直接契約できる関係を、時間をかけて作っていく
- 案件の実績とは別に、「見せられる実績」を自分で作る(このブログや、個人での制作物など)
前者は運と信頼の積み重ねが必要で、正直すぐには動かせません。元請けにとっても、下請けと直接契約に切り替えるメリットが薄い(仲介の手間を引き受ける理由がなくなる)ので、こちらから急かして進む話でもないと感じています。なので今は、後者に力を入れています。このブログもそのひとつです。案件では見せられない分、記事という形で「どう考えて、どう手を動かしているか」を残していけば、それ自体が実績の代わりになるんじゃないかと思っています。
具体的には、このブログでのコーディングTipsの発信に加えて、テンプレート販売という形での制作物公開も並行して進めています。案件の実績は見せられなくても、「実際に手を動かして作ったもの」を形にして残していくことはできる。そこに今は賭けています。
実際にあった、しんどかった場面
具体的なエピソードをひとつ挙げると、以前ある案件で、クライアントから直接デザインの意図を確認したい場面がありました。しかし2次下請けという立場上、直接のやり取りは元請け経由でしか許可されておらず、簡単な確認事項でも数日かかることがありました。結果的に実装が二度手間になり、修正対応に余計な時間を取られてしまったことがあります。
こういう「本当はすぐ解決できるはずのことが、構造上遠回りになる」というもどかしさは、2次下請けという立場ならではの悩みだと感じています。誰が悪いという話ではなく、間に人が入る以上どうしても発生してしまう摩擦です。
直請けを増やすためにできそうなこと
すぐに動かせないとはいえ、何もしないわけにもいかないので、少しずつ準備を進めています。焦って自分から「直接契約に切り替えたい」と切り出すのは、今の信頼関係の段階ではまだ得策ではないと感じているので、まずは目の前の仕事の質を上げることに集中しています。例えば、元請けの担当者との関係性を大事にすること。単に依頼された作業をこなすだけでなく、気づいた改善点を提案したり、レスポンスを早めにしたりといった、信頼を積み重ねる行動を意識しています。いつか「直接お願いしたい」と思ってもらえたら、という長期的な狙いです。
また、SNSやこのブログを通じて、案件の実績を出せない代わりに「考え方」や「手を動かすプロセス」を発信することで、間接的にでも自分のスキルを証明できるようにしたいと考えています。
周りの下請け仲間から聞く話
SNSや勉強会などで、同じように2次下請けの立場で活動している人と話す機会も何度かありました。話を聞いていると、悩みのパターンは意外と共通しています。「実績が見せられない」「単価が伸び悩む」「元請けとの間で情報が伝言ゲームになる」といった悩みは、業界全体である程度普遍的な課題なんだろうと感じています。
一方で、そこから抜け出した人の話を聞くと、共通しているのは「小さくてもいいから、自分名義で何かを継続的に発信・公開していた」という点でした。ブログだったり、OSSへの貢献だったり、個人アプリの公開だったりと形はさまざまですが、「案件以外の場所で自分の名前を残す」という行動は、遠回りに見えて実は一番効果があるのかもしれないと思っています。
収入面でのリアルな数字感
具体的な金額を出すのは控えますが、感覚として、同じ作業量を直接契約で受けた場合と比べると、2〜3割ほど低い水準になっているという実感があります。これは元請けの営業活動やクライアント対応、請求管理などのコストが反映された結果なので、単純に「損している」というより「役割分担の対価」だと捉えるようにしています。とはいえ、副業にかけられる時間が限られている以上、この差は積み重なると無視できない金額になっていきます。
まだ答えは出ていない
この記事は、きれいな成功体験ではありません。今まさに試行錯誤している途中の記録です。同じように「2次下請けの立場から抜け出したい」と感じている人がいたら、一緒に手探りしていけたらと思っています。進捗があれば、また正直にこのブログで書いていくつもりです。うまくいった話だけでなく、遠回りした話や、やっぱりダメだった話も含めて、記録として残していきたいと思っています。それが結果的に、同じ悩みを抱える誰かの判断材料になれば嬉しいです。
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